固定資産税(償却資産)の申告

 (Jimmyblog-No.0154)

償却資産とは

土地・家屋を所有している人にかかる税金が固定資産税だということはよく知られています。
そして固定資産税は、土地・家屋だけでなく“償却資産”についてもかかりますが、これについてはまだまだ周知されていないようです。
では“償却資産”とは一体何なのでしょうか?

償却資産とは、事業者(個人事業者や会社等)が所有する、土地・家屋以外の事業用減価償却資産です。
ただし、何もかもすべてというわけではなく、一定の車両やソフトウェアなどは含まれません。償却資産の例としては、構築物、機械装置、工具器具備品などが挙げられます。

固定資産税(土地・家屋)はアクション不要

土地・家屋については、事業者が何もせずにいても、課税対象者(固定資産税を支払うべき人)には年1回、納税通知書が届きます。
土地・家屋所有者は、それに従い、固定資産税を決められた期限までに支払えばよいだけです。

固定資産税(償却資産)は申告が必要

償却資産については、初回の申告は自ら行うこととなります。
特別な場合を除き、市町村から申告書用紙等が送られてくるような事はありません。

固定資産税(償却資産)には免税点があり、償却資産の価額の合計額が150万円未満なら税金はかかりませんが、事業を開始して課税対象となる資産を取得したならば市町村へ申告し、免税点以上の場合は納税もすることとなっています。

申告方法

申告用紙等は、市町村のホームページから印刷するor市役所等へ出向き入手することもできます。
提出期限は翌年1月31日です。

1度提出しておけば、次年度からはその申告内容を反映した申告書用紙が送付されてくるので、新たな1年間に資産の増減があればそれを追加記入するだけで済みます。

申告時に償却額や税額の計算は不要です。
償却資産の種類、名称、取得年月、取得価額、耐用年数等を記載して提出すれば、市町村が価額を計算し税率1.4%を掛けて税額を算出した後、納税通知書を送付してきます。

所得税・法人税との微妙な関係

「固定資産税(償却資産)の申告のてびき」の中に〈参考〉「少額の減価償却資産の取扱いについて」という記載があります。これが所得税・法人税の取扱いとは異なる部分で、ケースによっては微妙な問題が生じます。

それは何かと言うと、10万円以上20万円未満の資産を取得したとき、税務会計上、一括償却資産(3年均等償却)とするか措置法の少額減価償却資産(30万円未満即時償却)とするかで、償却資産申告の要否が異なるということです。

一括償却資産として処理していれば、償却資産の申告は不要、つまり固定資産税(償却資産)はかからない。けれども措置法の少額減価償却資産として処理していると償却資産申告の対象となり、税務会計上“消耗品費”処理していたとしても(貸借対照表に資産計上なしでも)たとえば工具器具備品として申告が必要になります。その資産の価額の1.4%の固定資産税(償却資産)がかかるということです。

その年だけ多額の利益が出たので措置法の少額減価償却資産としてMax300万円まで出来る限り経費にしたら有利、という場合は、固定資産税(償却資産)がかかってもその方がよいかもしれません。
一方、長い目で見れば、10万円以上20万円未満の資産については措置法を使わず一括償却資産として処理すると、それらについては固定資産税(償却資産)はゼロですむので有利と言えるかもしれません。

どちらがよいかはケースバイケースなので、費用対効果も考えながら個別に判断し選択するとよいでしょう。





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