脱サラor定年退職して開業したとき

(Jimmyblog-No.0147)

これからは自分で確定申告

会社等に勤務して身につけたスキル等を生かすべく脱サラ(独立開業)したり、定年退職後、何らかの個人事業を始めたりした時には、開業年から自分で確定申告をすることとなります。
さて、初めての確定申告では、何をすればよいのでしょうか?

開業年の所得

事例:たとえば令和6年3月まで勤務した会社等を(定年)退職し、退職金を受給し、令和6年4月から個人事業を開始したとします。
他に収入が無ければ、この場合、令和6年分の確定申告すべき所得は、給与所得(1~3月分)・退職所得事業所得(4~12月分)です。それぞれ、どのようにして把握するかと言うと・・

給与所得

会社等は退職者に対して、退職時に「給与所得の源泉徴収票」を交付することとされています。この源泉徴収票を見れば、給与所得等が把握できます。

ここで「給与所得の源泉徴収票」が無ければ、その年の収入が確定しないため、確定申告は困難です。よって、万が一手元に無ければ、会社等へ交付を依頼し入手しておく必要があります。
ちなみに再交付であっても会社等には対応する義務があります。遠慮せず交付を求めて大丈夫です。

退職所得

通常は会社等が退職金を支給する際に、退職者に「退職所得の受給に関する申告書」の提出をさせた上で非課税枠(勤続年数による、Min80万円)を計算し、額面金額が枠を超える場合だけ所得税・住民税を源泉徴収(天引き)します。
枠内であれば源泉徴収税額はゼロとなり、額面金額がそのまま支給されます。

退職者本人には「退職所得の源泉徴収票」が交付されます。給与と同様に、この源泉徴収票を見れば、退職所得等が把握できます。
これも万が一見当たらなければ、会社等から入手しておく必要があります。退職金に関する詳細(非課税枠の計算内容や金額、天引きの有無など)が記載されているからです。

事業所得

その年の売上から経費等を引いたものが事業所得となります。
会計ソフトを使うにせよ手書きで帳面をつけるにせよ、各自が事業に関するお金の出入り等を日々記録し、年計を算出することとなります。
また、年の終わりには決算処理を行い、白色申告なら「収支内訳書」、青色申告なら「青色申告決算書」を作成します。これによりその年の事業所得が把握できます。

確定申告の計算方法

自宅からパソコンやスマホでe-Tax等のソフトを使って行うにしても、必要な書類を税務署等へ持参して援助を受けながら行うにしても、確定申告では、原則その年のすべての収入(事例であれば給与と退職金と事業)をもとに合計所得等を計算し、それから所得控除(基礎控除・扶養控除・社会保険料控除など)を引いて課税所得を出します。

そして事例の場合、この課税所得に税率(所得税は5~45%の超過累進税率、住民税は一律10%)を掛けて年税額を算出します。
納付する所得税額は、年税額-源泉徴収税額(給与等から天引きされていた税額)となります。もしマイナスなら天引きが多すぎたということなので、その分は還付されます。
住民税は、確定申告後すぐではなく、少し後から4回に分割して納付することとなります。

退職金は申告不要か

『退職金は分離課税で、通常は会社等の源泉徴収で課税は完了する。よって原則、確定申告は不要』とされています。
ですがその場合でも、「退職所得の源泉徴収票」を見て、“退職所得”が発生している(源泉徴収されている)なら、確定申告に含めることで、他の所得との損益通算や所得控除により、税金面で有利になることがあります。

申告不要の場合でも、申告すると税額が軽減されたり還付額が増えたりすることもあるということです。
よくわからない・・と思った時は、税理士等へ相談するとよいでしょう。

コメント

このブログの人気の投稿

インボイス登録をやめたいとき

インボイス登録を求められたら

ふるさと納税枠