インボイス登録を求められたら
(Jimmyblog-No.0141)
令和6年になってからの検討
インボイス制度は令和5年10月から始まっていますが、インボイス登録は義務ではなく任意なので、現在、登録している事業者としていない事業者が存在します。
さて、たとえば個人事業をしていて、ずっと免税事業者(年間売上が1,000万円を超えたことがない)であり、インボイスが始まった当初は特に何もしなかった(インボイス登録しなかった)けれども、今になって取引先(売上先)からインボイス絡みの相談・要請等(免税事業者のままでいるのなら消費税分の値下げを・・など)があったら、どうすればよいのでしょうか?
重要な売上先なら登録すべき
自分の事業にとって重要な売上先(金額・取引頻度等が高いなど)からの要請であれば、インボイス登録申請を行い、登録事業者になるという選択が良いように思われます。
理由は、重要な取引先を失うかもしれないという不安をなくせるからです。
なお、そうではなく単発の取引先であったり、自分の売上全体に占める割合が少ない相手先からの要請で、仮に登録しないことが原因で取引が縮小or無くなったとしても困らないなどの状況なら、登録申請は不要かもしれません。
消費税申告はどうする?
さて登録するとした場合、これまでずっと免税事業者だったならば「消費税の申告」自体、初めてということになります。
これまで「確定申告」と言っていたのは所得税(と住民税、あれば事業税)の申告であり、消費税の申告はそれにプラスして「消費税の申告書」を作成し提出し消費税を納税等する必要があります。
“???消費税の申告なんてやったことがなく、できるかわからない・・”という心配については、令和8年分までは売上高(税抜)×10%(or8%、消費税率)×2割だけ納税&簡単な申告で対応できる「2割特例」が用意されています。
この「2割特例」を使うのであれば、消費税に関しては売上についてだけしっかり管理しておけばOKで、経費の消費税については一切悩む必要はありません。
もらった請求書・領収書等がインボイスであろうがなかろうが、自分の消費税納付額には全く影響しないからです。
いつからインボイス発行できる?
インボイスを発行できるのはインボイス登録事業者だけです。つまり登録完了するまではインボイスは発行できません(と言うか、現実問題、個人事業者のインボイス登録番号は登録完了通知が届くまでわからない)。
そして、今になって要請されてインボイス登録申請する場合、申請すればその日にすぐ登録できるという訳ではなく“15日ルール”というものがあります。
申請書へは15日以上先の日付で登録希望日を記載します。
具体的には、登録希望日の2週前の日の前日までに登録申請書を提出することとされています。“2週前の日の前日”っていつ?と思ってしまいますが、登録希望日が木曜日であれば2週前の水曜日です。
登録完了通知がくるまでの対応
登録申請してから登録完了し通知がくるまでにはタイムラグがあります(一定の日数がかかる)。
通知を待っている間はインボイスは発行できないので、相手先へは登録申請中である旨を伝え、通知を受けた後、インボイスを交付or登録番号等を通知するなどの対応方法が考えられます。
2年縛り
当初(令和5年分)からインボイス登録していた事業者であればこの2年縛りは無いのですが、今からインボイス登録した場合、2年は免税事業者には戻れないという2年縛りが適用されます。
この2年縛りにより原則、令和6年~8年分までは消費税の申告&納税等が必要となります。
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