インボイスの2割特例と簡易課税の取下げ
(Jimmyblog-No.0123) 早めに簡易課税の選択届出書を提出していませんか? インボイスが始まるまで、あと1ヶ月を切りました。 これまで免税事業者だったが、取引先との関係を考慮し早めにインボイス登録した方の場合、同時に 消費税の簡易課税制度選択届出書 を提出していることもあるようです。 2割特例 インボイス導入に向けては、さまざまな経過措置が次々と打ち出されてきました。 そのうちの一つ、2割特例について、何の2割なのか?簡易課税との関係は?など、まだまだ理解されにくいまま周知がされていないようです。 2割特例とは、インボイスというものがなければ免税だった事業者に準備された、消費税納付額を簡単に計算できる特例 です。売上だけをもとに「課税売上高(税抜)×消費税率(10%等)×2割」を納めればOK、つまり課税仕入(設備投資や経費支払など)は消費税計算には全く使わないというものです。 売上だけから消費税納付額を算出するというやり方は、簡易課税と同じです。そして簡易課税では、業種によって上記の2割が、たとえばサービス業なら5割、卸売業なら1割などと決まっています。 よって仮にサービス業の事業者であれば、2割特例の方が簡易課税の5割よりも納付額が少なくなり有利なため、簡易課税制度選択届出書を提出するメリットはありません。 簡易選択していると設備投資等に対応できない メリットがないだけでなく、簡易課税を選択していると、設備投資等をした年に、売上に係る消費税よりも仕入(支払等)に係る消費税が多かったとしても、何も手当されません。 簡易課税を選択していなければ、このような場合には差額分の消費税が還付されます。が、 簡易課税制度選択届出書を提出したままでいると、この場合、還付どころか納付 しなければなりません。 簡易課税制度選択届出をなかったことにするには “そんなしくみになっているなら、自分はサービス業なので簡易課税制度選択届出書を提出しなければよかった・・・・やめることってできるのだろうか?”と思った方、大丈夫です。 令和5年12月31日までに『取下書』なるものを提出すれば、なかったことにできます。 取下書のフォーマットは準備されておらず、取下対象となる届出書(すでに提出した消費税簡易課税制度選択届出書)が特定できるよう、提出日、届出書の様式名(表題)、提出方法(書面...